多可町立中町中学校〜和紙、杉原紙の展示
多可町役場の直ぐ北に位置する中学校。ここ多可町杉原谷村は『和紙〜日本の手漉和紙技術』で2014年にユネスコの無形文化遺産に指定されました。和紙の中でも中世に日本全国で製造され使用されていた杉原紙、その原産地で有名です。社会の授業でも生徒達が実際に和紙作りを行い展示されています。和紙を作るには、水、原料とネリと呼ばれる植物粘液の三つが必要。水は不純物を含まない清く透明な冷水が好ましく、湧水や川の水を濾過して使用します。原料は主にコウゾ、ミツマタ、ガンピ等落葉低木となり、これらの幹の部分ではなく樹皮を使います。いずれも繊維が長く強靭で、光沢があり和紙の特徴である薄くて強い性質を持っています。皮剥ぎした樹皮に叩解を行います。叩解とは、原料を叩いて繊維の中の微細繊維を毛羽立たせながら解きほぐす工程の事。こうして出来た原料を紙漉きします。漉きを行う前にネリを加えます。ネリは原料の繊維を水中でよく分散させ、沈降して固まらないようにするために水に混ぜて使う粘液の事です。和紙は現在でもあぶらとり紙、和紙提灯、襖、障子、折り紙、番傘、扇子や置物など、よく使用されています。海外でも人気が高まっているので、日本の伝統工芸の一つとして保全して欲しいと思いました。