中学校情報
中学校の教科課程/美術
中学校における美術は、描くことや造形、鑑賞にとどまらず、豊かな情操を養うことが目標として掲げられています。
学習活動を通して、自分の見方や感じ方を大切にしながら、自分で考え発想し工夫して創造する表現力や、美術作品などの鑑賞力を育成することが求められています。
感性を育み情操を養う、美術

2008年度(平成20年度)の中学校学習指導要領において、美術の教科目標は以下のように示されています。
「表現及び鑑賞の幅広い活動を通して、美術の創造活動の喜びを味わい美術を愛好する心情を育てるとともに、感性を豊かにし、美術の基礎的能力を伸ばし、美術文化についての理解を深め、豊かな情操を養う。」
中学校における美術の目標と内容
中学校の3年間で美術科への関心や意欲、態度を育成し、豊かに発想し構想する表現力を養い、美術への理解を深め鑑賞力を培います。
学習指導要領においては、その教科目標と内容を、1年生と2、3年生とで分けていますが、総合すると概ね以下の通りです。
目標
- 美術の活動に楽しく主体的に取り組み、愛好心を深め、心豊かな生活を創造していく意欲と態度の育成。
- 対象を見つめ感じとる力や想像力を高め、発想し構想する能力や形、色彩などによる表現技能を身に付ける。また、自分の表現方法を創意工夫し表現する力を養う。
- 自然の造形や美術作品などについての理解や見方を深め、美術文化に対する
関心を高めることで、鑑賞能力を育む。
内容
学習内容は「表現」と「鑑賞」の双方向の構成となっています。
表現についてはその方法は多様化しており、油絵、イラストレーション、コンピュータグラフィックス、映像メディアなど、生徒は自分の表現意図に合わせて技法や材料を選択し、創意工夫して行なえるような指導が求められています。
表現
- ①感じ取ったこと、考えたことを基に、絵や彫刻などに表現する活動
- ②伝える、使うなどの目的や機能を考え、デザインや工芸などに表現する活動
- ③発想や構想を基に材料や用具の特性を生かし、創意工夫して創造的に表現
①~③の活動を通して、創造的な技能と表現力を育成します。また表現方法としては、スケッチや写真、ビデオ、コンピュータ等の映像メディア、漫画、イラストレーションなど、表現目的に応じて選択したり、組み合わせたりできるような展開がされています。生徒は画一的に絵画を描くのではなく、幅広い表現方法のもと、豊かな感性を養います。
鑑賞
- ①造形的な良さや美しさなどに関する鑑賞
- ②生活を美しく豊かにする美術の働きに関する鑑賞
- ③美術文化に関する鑑賞
生徒は①~③を基に能動的な鑑賞活動を行ないながら、その良さや美しさを楽しみ味わうことで自然や美術品への関心を深めます。同時に、作品鑑賞の在り方や方法を理解します。中学時代は生徒の心身の発達に合わせて価値観が形成される時期。鑑賞活動を通して、心豊かに生きることと美術との関わりを関連づけることが必要となります。